一人の男として 一児のパパとして(小池憲吾さん)

小池憲吾さん(39歳)。公務員として勤務しながら、趣味や子育てで充実した日々を送っています。気さくで話し上手な印象ですが、幼いころは意外にも番長気質だったとか。小池さんの過去から今の話を伺ってきました。


けんかの強い番長から、コミュ力高いモテ系男子に


ーとてもお話上手ですよね。学生時代から社交的だったのですか?


元々は、漫画「ビー・バップ・ハイスクール」や「特攻の拓」が好きな、ヤンキーに憧れる子どもでした。僕らの時代ならではかもしれませんが、けんかに強い男子が人気になる傾向があって。幼稚園ではけんかが強かったので、その学年のトップに立っていましたね。


小学校に入ってからもけんかで勝とうと思っていたのですが、他の幼稚園から来たトップに負けてしまってすごく悔しかったのを覚えています。でもやっぱりトップでいたかったので、けんかではなく、クラスの人気者になってトップの座を取り返すことにしたんです。好きな子を結果的にいじめてしまったこともあります。それくらい気が強くて不器用な少年でした。


ードラマみたいな小学校生活ですね!中学校もトップだったんですか?


中学校に上がったときにたまたま仲良くなったやつが、他の学校で嫌われていたので、一緒にいたら自分も仲間外れにされるようになりました。自分の子分も、離れていって。結局みんな、番長だった自分にいじめられたり仲間はずれにされるのが怖かったんでしょうね。


幸運だったのが、クラスに2人くらい、勉強も運動もできて、周りから嫌われることや孤立することを気にしないやつらがいたんです。そいつらと一緒にいるうちに、けんかではなく勉強をするようになったんですよね。その結果、大学附属の高校に進学できたんです。仲間はずれにされていなかったら、もしかしたら不良になっていたかもしれません。誰と仲良くなるかで未来が変わることに気づきましたね。


ー進学校に入って、そのまま大学へ。どんな大学生活でしたか?


それまでは、けんかに強い男子が人気者でモテると思っていたんですが、高校に入って、中性的な男子やバンドマンがモテてるのを見て、「そうか違うのか!」と気づきましたね。それからは、コミュニケーション力を駆使して、渋谷のセンター街でナンパしたりしていました(笑)。


婚活パーティーで大成功!?


ー小池さんのコミュ力の秘密がわかりました(笑)。お仕事は最初から公務員ですか?


大学卒業して、アパレルに就職しました。旅行会社かアパレルに行きたかったんです。販売を担当していました。そのあと転職して、イベント制作会社に行きました。街頭キャンペーンを企画したり、モーターショーやおもちゃショーに携わったりしましたね。仕事はとても楽しかったです。


ー公務員よりもイベント関係の方がしっくり来ます!(笑)


そうですかね(笑)。でもイベント制作会社は、時間が不規則すぎるし休みが全然とれなかったんです。仕事はやりがいがあって楽しいんですけど、給料も安いし、朝早くて夜遅いし。


あるとき、マッチョで男から見てもかっこいい子に会ったんですよ。そいつはボクシングをやっていて。かたや自分は、駅で電車に乗り遅れないようにダッシュしてもすぐに息が切れてしまうような体力のなさで。駅でゼエハア言ってるときに、「あ、俺もボクシングやりたい」と思ったんですよ。でもイベント制作会社にいたらそんな時間はない。

趣味の時間も取れないほど、仕事に忙殺されていることにやっと気づいたんです。


それで、自分でもイベントの仕事を立ち上げることにしました。イベントならお金がなくてもできて、やり方と人脈さえあればできるかなと思って。26.7歳〜30歳まで、婚活パーティーと婚活アプリの運営をしていました。


ー今はやりの婚活ですね!うまくいったんですか?


当時は婚活パーティーではなく「ねるとんパーティー」と言って、六本木や恵比寿でよく開催していました。あんまりうまく行きませんでしたね。集客はできるんですけれど、男女のバランスを取るのがとても難しくて。


女性って、1週間前にはパーティーに予約して、そこからはあんまり増えないんです。でも男性は、1週間前は1人しかいなかったとしても、前日くらいから急激に増えます(笑)。当日になって「このパーティー行こうぜ」って言って来る人もいるくらい。それで男女の人数が揃わなくなってしまうことが多くて、大変でしたね。


婚活アプリはそのあとに始めたんですけど、あまり結果は良くなかったですね。ちょっと早すぎたのかもしれません。

ちなみに、そのときの客と結婚したんです(笑)。


ー成功してるじゃないですか!!


そうですね。自分も結婚したかったんで(笑)。でも結婚するときになって、「仕事が婚活パーティーでいいのか?」と思ったんです。親御さんへの印象もよくないでしょうし。


それで、安定した地方公務員になったんです。最近は、民間出身の公務員も増えてきているみたいですよ。土日が休みなので、家族や趣味に時間を使えるようになりました。


家族を大切にできるライフスタイルに


ーちなみに趣味はなんですか?


趣味は2つあって、サッカーの海外リーグをテレビ観戦することと、車を運転することです。環七をぐるーっと一周して戻ってくるとか。車内の空間も好きなんですよね。個室が好き。


最近は知り合いから紹介されて、ネットカフェにも行くようになりました。昔の漫画喫茶とは違って、ネットカフェはとてもおしゃれ。エスプレッソマシーンがあってコーヒー飲み放題だったり、ソフトクリーム食べ放題だったり、防音室があるのでヘッドホンなしで映画鑑賞できたり。3時間くらいいても飽きないですね。


あとは体を動かすことも好きで、ヨガをやったこともあります。さきほどボクシングがきっかけで仕事を変えた話をしましたが、あのあとボクシングも習いましたよ。プロテストで落ちてやめちゃったんですけどね。


ー多趣味ですね。家族との時間も取れていますか?


娘がかわいいですね!!!

元々子どもが好きなんです。自分が末っ子だったので、弟や妹が欲しくて。学校でも後輩をかわいがるタイプでした。男親は女の子がやっぱりかわいいですね。逆に女親は男の子に甘いかもしれません。


小さいころからよくチューやハグをしてました(笑)。でももう小学6年生で、そういうのは嫌がる年頃になってしまって。さみしい…。


今は離婚して別居なんですけど、すぐ近くに住んでいて、夕飯はいつもうちで食べています。離婚していますが関係は悪くないですね。


ーちなみに離婚の原因って?


娘の教育について意見が合わなくて、けんかが多くなって。娘に両親がけんかしている姿ってあまり見せたくないじゃないですか。自分でもこれは離れた方がいいかなと思って。それで離婚しました。でも復縁もありえます。


ー勉強になります(真剣)。最後に、今後やりたいことや考えていることはありますか?


自分のことはまったく考えてなくて、娘の将来しか興味ないですね。あとは、自分の老後と子どもの将来のためにどれだけお金を残せるかしか、考えていないです。仕事は公務員なので安定していますし。親ってそういうものかもしれません。


今までは、自分が主役で自分が一番という自己中心的な人間でしたが、子どもが生まれてからは子ども優先になりました。ものすごい変化ですよね。娘にはつい、「お前は世界で一番かわいい」って言っちゃいますね。最近は褒めると「やめてよ、うざい」って言われます(笑)。


自分中心の生き方から、家族を大切にする生き方へ


気づいたら娘の話をしているくらい子煩悩な小池さん。そこには、自分中心の生き方から、家族を大切にする生き方に変わった一人の男性がいました。娘さんの今後の成長が楽しみですね。

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