フリーアナウンサー・有澤縁

有澤縁(ありさわゆかり)さん。

結婚式の司会や、イベントの進行役、話し方講師など、活躍の場を広げている新進気鋭の女性フリーアナウンサーです。

30歳を目前にしてのアナウンサーデビューだった有澤さん。なぜこのタイミングでアナウンサー業に転身したのか?今後の展望は?幼少期からのエピソードもまじえながら、ざっくばらんに語っていただきました。

★有澤縁さん情報★

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真面目な学生時代と多忙な販売員時代

ー幼少期から学生時代は、どんな子どもだったんですか?すごく真面目そうな印象があります。


群馬県出身で、弟が一人いるんですけれど、二人とも大切に育ててもらった記憶があります。

私、箱入り娘だと思うんですよね。両親の頭の中には、「この子はこの中学に行かせて、高校はここで、大学はここ」という進路の構想が生まれたときから出来上がっていたそうで、高校まではその期待通りに進みました。大学受験は失敗してしまいましたが(笑)。


小さい頃は優等生をしていました。生徒会も、親が喜ぶだろうなと思って入りました。学生時代はいろいろあって…揉まれましたね(笑)。


ーアナウンサーを志したのは何歳のときですか?


大学生のときでした。大学受験に失敗して、でも浪人したくないと思ってご縁のあった大学に進学して、念願の一人暮らしデビューをして、アルバイトも初めてして。「こんな世界があるんだ!」と思った経験をたくさんしました。お酒も覚えましたし(笑)。


大学では放送部に入っていたので、その流れでアナウンサーになりたいと思うようになりました。でもそのころから、プライドの高さが顕著になっていたんです。放送部では賞もいただいていたので、「このままで大丈夫!」「アナウンススクールに通っている人たちには負けない!」と変な自信とプライドを身につけて、私自身はアナウンサースクールに行かずに、就職活動をしました。


でも結局、受けた局は全部落ちてしまい…。だからアナウンサーは一度あきらめたんです。そのあといろいろな企業を受けて、株式会社東急ハンズに就職しました。


ー東急ハンズにいたんですね!どんな仕事をしていたんですか?


横浜の店舗で販売員からスタートして、都内に異動してからは新店立ち上げや、辞める直前は新人教育もやっていました。就活の面接で、「自分が感じたワクワクドキドキを多くの人に届けたい」と話したのを今でも覚えています。


最初は横浜店配属でした。まずバス・トイレ用品を担当して、次はキッチンフロアを担当して、最後はエントランスのフロアで、革小物とイベント系を担当しました。北海道物産展とか。ハロウィンシーズンはフロアのスタッフほとんどがコスプレもしてました(笑)。


革小物担当のときに売上が200%アップしたんですよ。それが社内で高評価だったようで、そのときちょうど会社の方針で拡大させようとしていた「hands be」(女性向け商品を多く取り扱う専門店舗)のオープニングスタッフとして、立川店に異動したんです。


「自分の名前で仕事がしたい」

ーとても順調なハンズ生活じゃないですか。


でもそのころ25〜26歳で、ちょうど自分のキャリアについて考え始めていた時期でした。仕事は楽しい、でもこのままでいいのかな、転職した方がいいのかなってモヤモヤしていました。


それでまずは人脈を広げてみようと思って、いろいろなところに顔を出すようになりました。平日休みということもあって、大学時代の友人とも疎遠になっていたので。会った人の中には、22歳から事業を立ち上げた同い年の方もいて、とても刺激をいただきましたね。いろいろな人にお会いした中で、「自分の名前で仕事をしたい!」という気持ちが生まれたんです。


新しい道に進みたいと思って、26歳の年末に退職する決断をしました。実はそのとき、hands be旗艦店の立ち上げスタッフとして私の異動が内々で決まっていたそうで、大変ご迷惑をかけてしまいましたが、決断を曲げることはなかったです。


実は退職するときに、「あいつは男にたぶらかされて辞めた」という噂が立っていまして

(笑)。根も葉もない噂なんですけれど。会社の上司にも大見得切って辞めたので、絶対成功させてやる!!というのは今でも心にあります(笑)。


辞めてからは、派遣社員として何社かお世話になりました。いろいろな経験をさせていただいた20代でした。でも30代を目前にして、ふと気づいてしまうんです。


ーアナウンサーですか?


そうです。アナウンサー、あとブライダル業界に携わりたいという気持ちが、実は全然捨てきれていなくて。もう無理だと思っていたので、その思いに見てみぬフリをしていたんですけどね。

でも親しい人とたまたまブライダルの話をしていたときに、「(ブライダルの話をする)今の顔が、一番キラキラしているよ。本当にこのままでいいの?」って言われて。その言葉に背中を押されたんです。


ブライダル業界に携わりたいと思っていたのは、結婚式、ご披露宴は幸せが溢れていて、笑顔が溢れていて、ハッピーが溢れている場所だからです。もちろん、そればかりではないのですが、そういうところで仕事をしたいとずっと思っていました。


またそのころ、以前に徳島県でアナウンサーをやっていた方と知り合いました。今は東京でブライダルや司会の仕事などをされていたので、話を聞かせてもらって、フリーアナウンサーの道に進む決断をしました。そのフリーアナウンサーの方は今でも憧れの存在です♡


大決断!フリーアナウンサーへ転身

ーフリーアナウンサー、ブライダル司会に転身して、1年目はどんな年でしたか?


ゼロから技術を叩き直そうと、「富田欽一司会塾」で学びながらスキルを磨いていきました。ほぼ未経験、アナウンサーとしては人より遅いスタート。だから、人一倍努力はしました。週2回あったレッスンにも全部参加しました。早くスキルを早く磨きたい、ほかの人よりも早くうまくなりたい、という一心です。

ボランティアの仕事も受けました。派遣社員も続けていたので、今思うとあまり寝ていなかったですね。がむしゃらであっという間だったのが、最初の半年間です。


最初の仕事は、司会塾に入ってから半年後、前出のフリーアナウンサーの方からご縁を繋いでいただいたテレビ神奈川さんの仕事でした。ありがたいことにブライダルデビューよりも先に、メディアデビューしてしまったんです(笑)。

その後すぐにブライダルデビューもさせていただき、1シーズン目は10本のブライダル司会をすることができました。いいスタートダッシュをしっかりと切れたかなと思います。でもそのあとの2年目、不遇の時代に入るんですけどね(笑)。


ー不遇の時代!?詳しく教えてください(笑)。


1度来た仕事が次は来ない。「こんなにもリピートされないのか」という現実を突きつけられました。技術力、おもてなし、人間的魅力の低さと、自分の個性も売りもわからなくなくなりましたね。


私、アナウンサーになりたいと言いながら、自分の声がコンプレックスだったんですよ。声が高くてアニメ声みたいで。司会塾で、地声を、聞きやすく通りやすい「アナウンス声」に変えることを学んでいたので、これならコンプレックスを克服できる!と思いました。私が目指したのは、いかにもアナウンサーというような、落ち着いた司会者だったんです。


でも、当時私に求められたのは、「明るく元気な司会者」でした。ブライダルの司会って、40代〜50代のベテランの方が多いんです。だから、「若い司会者がほしい」という声も多かったと聞きましたし、理想と現実のギャップにしばらく苦しみました。私の売りはどこなんだろう??って。


ー不遇の時代を抜けたきっかけはありますか?


ひとつは、リピートされないことにしっかりと向き合ったことです。

1シーズンで、司会が10本入って嬉しかったのですが、司会の技術が伴っていないのにデビューできてしまったのは、実は自分の中でもジレンマだったんですよ。同じときにデビューした先輩方と比べて、一方の私はたった半年しか学んでいない。それは技術レベルが違いますよね(笑)。

だからこの事実をきちんと受け止めて、ひとつひとつ丁寧に仕事をこなしながら、ちゃんと自分の技術を焦らず磨いていこうって思いました。「ここまでやったら大丈夫だろう」と言えるくらい徹底して練習しましたね。


もうひとつは、自分自身を認められたことです。

今まではなりたい自分と求められている自分が違うことがジレンマだったんですけど、求められている自分=自分の長所なんですよね。そのことを受け入れられるようになりました。


自分自身を見つめていったからこそ、自分自身をすごく好きになれた。ものすごく背伸びしてがんばってたことにも気がつきました。童顔がコンプレックスで、新人となめられたくないという気持ちがすごくありました。自分を好きになれるってすごく大事。自信はまだまだないんですけど、肩の力はだいぶ抜けてきました。


本当に進みたい道を選べた理由

ー30代になってアナウンサーの道を選ぶのは簡単ではなかったはずです。どう捉えていますか?


今までやってきたことは何ひとつ無駄じゃなかった。そう思っています。

自分の名前で仕事がしたいと思ってはいますが、本当にいろいろな方に支えられています。今に至るまで、運と縁が本当にすごかった!ブライダルの司会を最初のシーズンで10本できたのもたくさんの方のお力添えがあったからこそです。あと、事務所のクリスマスパーティーを毎年行っているのですが、4年前に代表がやりたいと言っていたので実現したことが始まりです。以前イベント関係のお仕事をしていたときの経験が役に立ちました。


ー有澤さんが運や縁をよく引き寄せる、その原因は何だと思いますか?


なぜでしょう(笑)。一つはやりたいことを口に出しているからかもしれません。もうひとつは、司会塾で代表に最初に教えていただいたことで、「永く続いている司会者には3つの要素があって、①素直で、②いつも元気で、③いつも自分が楽しんでいる」ということを私生活でも意識するようにしています。永く続いている司会者が言ってるならきっと真実ですから。代表本人がすごく愛されている方なんです。私もそうありたいですね。


ー昨年末から始められた話し方講師について教えてください。


元々講師業に興味はあったんです。いつかは自分で教室を開けるようになりたいと思っていて。それで講師募集に応募して、採用していただきました。東京駅近くのミュージックスクール内でやっているんですが、ありがたいことに生徒さんも増えて、体験レッスンもたくさんの方が入学してくれるので、始めてよかったですね。

ありがたいことに、司会塾の代表にも応援してもらえています。


ーリピーターをしっかり獲得されているんですね!その秘訣を教えてください。


一緒に目標に向かう姿勢と悩みなどに寄り添うことを大切にしています。当たり前のことかもしれませんが、生徒さんに合わせて伝え方や練習内容も変えています。男性だったら腹式呼吸を理論的にお伝えしたり、プレゼンをされている方には、具体的なテクニックをお伝えしたり、女性で話し方に苦手意識を持たれている方だったら、声を出すのが楽しいと思えるような練習にしたり。

すべて、今まで私が司会塾で教えてもらったことをアウトプットさせていただいています。

みんな持っている声も個性も違うので、その人の良さを引き出すだけなんですよね。私のめちゃくちゃなアニメ声だってここまで矯正できましたから(笑)。


あと、私が絶対見本を見せます。だから私も技術を磨き続けないといけません。やっぱり先生ですね、すごい!と思っていただかないと。だから、こうなれるからがんばりましょうね、って言えるように日々技術を磨いています。


今後は女性の魅力を引き出すコンサルタントに


ーでは、今後の展望について教えてください。


2018年の年始に自分の”企業理念”を決めたんです。

企業理念「幸せと笑顔の連鎖を生み出す人生を」

自分の理念が決まると、自分の方向性がより定まりますね。幸せと笑顔で溢れているブライダルの司会も継続していきたいですし、この仕事をしているといろいろな方にお会いするので、アーティストなど表現の場が限られている方々が発表できる空間を造っていきたいです。今は出会った方の背中を押せるようできるだけブログやシェアをして紹介するように心がけています。


今後は、女性対象のコンサルティングもやっていきたいと考えています。

がんばっている人の背中を押したいんです。もっと魅力的になりたいと思っていらっしゃる女性の方は多いので、コンプレックスを魅力に変えるお手伝いができたらいいなと思って、日々アイディアを膨らませています。立ちふるまい教室や、野菜ソムリエ講座、美文字講座とか。子連れで田舎体験教室とか、楽しそうですよね。


講師はスペシャリストの方にもお願いして、私は人と人とをつなげる役割ができたら。昔から人をつなげるのが好きだったんですよ。自分がハブになって化学変化が起きるのがたまらないですね。


できるだけ多くの人を背中を押したいです。

今よりも自分を好きになってほしい。

その人の魅力を引き出すお手伝いをしたいと考えています。


アナウンサー業は、今はブライダルが中心なのですが、もっとイベントやメディアのお仕事を増やしていきたいと考えています。多くの人の目に触れるようになって、目指すは2020年!東京オリンピック前後のイベントでお手伝いする!、というのが中期経営計画です(笑)。今からたくさん発信して、ご縁が広がってそういったお仕事がいただけるようになったら嬉しいですね。


ー最後に何か一言お願いします。


最近、後輩の子には「腐らず継続」と言っています。仕事はいつ来るかわからない。だからといって練習の頻度を落とすのではなく、腐らずに学び続けて技術を磨き続けた方がいいと思うよって伝えています。不遇の時代を抜けられたのは、まさに腐らなかったからですし。同時に、自分自身にも言い聞かせてます。腐らずやり続けようって。


ー今日はありがとうございました。今後に期待しています!


【Infomation】

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